1.依頼者プロフィール

成人女性。脳血管障害による半身麻痺。動かせるほうも震えがある。 視覚にも障害があり、複視(物が二重に見える)があります。

パソコンは会社で数値入力をした事があるくらいで、 使用経験無しとみなしていいでしょう。

2.依頼の経緯

１２月初旬、某施設を訪ねたこの世界の有名人を通して来た依頼。 直接には何度目かの転院を経て、今の施設に入る前の病院のPTが、 お喋り好きの彼女の為にと考えて動き出した事が始まり。 私は単に施設に家が近いだけ。

3.対応

状況を確認するための初回訪問を済ませ、現在、９８ノートに小型の キーボードとオムロンのタッチパッドを貸し出して、パソコンに慣れて もらっています。

この初回の訪問のときに、ついでのつもりでWiViKによるスキャン入力を 試してもらったところ、本人はこれが一番楽という事で、次回、スキャン入力 をできる環境を貸し出せるようにと考えています。

但し、スキャン入力はスキャンの移動にタイミングを合わせてスイッチを 押すという、一種のゲーム性があり、周りもはやしたてながらという環境の 影響からでた結果かも知れないとも思っていて、要再確認かもしれません。

97.02.24追加

前回訪問時においてきた９８ノートですが、ＡＣアダプターをつながずに 置いておいたためかレジューム失敗で、画面の拡大表示等の設定が消えて いました。ノートパソコンを貸し出すときには、ＡＣアダプターを常に 接続しておくように注意する必要がありそうです。

前回、ゲーム性からかと思われたスキャン入力ですが、キーボードを 操作しようとすると指が伸びた状態になり、腱が伸びてしまって良くない というOTの助言により、スキャン入力で行く事に決定。 スキャン入力のスイッチを操作する場所を探してきましたが、ベッドの上の オーバーテーブルにスイッチを載せて操作するとキーボードの操作同様の 状態になるため、あれこれやっているうちに、ナースコールのスイッチを 腿に当てて操作すると楽という事になりました。
スキャン入力そのものはThinkPad230CsにWiViKで 試作の縦一行表示の文字盤を使用。 狭い画面をさらに狭くしないように縦一行の文字盤を持っていきました が、文字が小さくて依頼者には読めないという結果になりました。 しばらく触っているうちに文字の位置を覚えたようですが、パソコンの操作と して必要になってくる、ちょっと複雑なものは覚えるのが難しいと思われるため 修正が必要です。

次回、スイッチ周りの整理をPTにお願いして、私達の方はWiViKの文字盤を 依頼者に見える大きさに修正して訪問する予定。

97.04.22追加

ThinkPad230+WiViKを貸し出し開始しました。文字盤の桝目の数を減らして文字を大きくしたので見やすくなりましたが、文字盤の階層が複雑化して見通しが悪くなりました。 この辺りはまだまだ改良の余地があるので、順次変えていきたいと思っていますが、桝目の数を減らすということは、文字盤をいじる余地も減っているということで、かなり困難な作業になりそうです。

ナースコール利用の操作スイッチですが、暖かくなってきて薄着になっているせいか、スイッチが腿にめり込んでうまく操作できなくなってきました。 とりあえず、ナースコールのボタンの長さを延長してしのぎましたが、スイッチを手で握っていると、何かの原因でスイッチを離したとき、スイッチを拾うのが大変なので、足にスイッチを固定して、それを手で叩く形式に変えようと考えています。